ある製品やサービスの商標を登録しようとした場合に、登録を拒絶される場合があります。
まず、一番大きなものとしては、その商標に商品やサービスを識別する能力があるかないかと言う点です。その他としては、先に同様の商品やサービスで同様もしくは類似した商標が登録されている場合、公共の利益に反する場合です。
先に登録があるかないか、出願中かどうかは、調査することによって回避することは可能です。仮に、先に同様の商標が登録されていたとしても、商標権は商品やサービスごとに発生しますので、まったく別の商品やサービスでは商標権を得ることも可能です。
公共の利益に反するかどうかは、社会通念と照らしあわせて、乖離していなければ、特に問題になりません。
さて、大きな問題となる識別力ですが、商標法第3条1項2項に記載されているとおりとなりますので、よく読んで理解すればそれほど難しいことではありません。
商品やサービスを、直接的に説明するような商標は拒絶されます。商品が「りんご」に対して、「丸い果実」は、りんごとして自他の識別がつきません。
しかし、商標は、商品やサービスを指定しなければなりません。仮に商品「りんご」では識別能力は無くても、商品が「自動車」ならば、識別能力があると判断される可能性は大きいです。丸いコンパクトカーで、エコロジー性能がある車として、識別可能であると判断されてもおかしくはないものです。
同じように、製鉄材に「鉄の塊」と付けても識別できませんが、豆腐に「鉄の塊」と付けると、少なくとも「やわらか豆腐」よりは自他の識別能力はあります。識別はできますが、極めて簡単でかつありふれた商標として商標登録は拒否される可能性が高いです。
このようにして、同じ商標であっても、商品やサービスが違えば、その識別能力も変わってきます。また、普通名称であっても商品やサービスによっては、商標として登録出来る場合もあります。例えば、自動車の商標のほとんどは普通名称のものです。